更新日 2014年08月17日
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閣議決定とは
『 閣議決定 』とは
 [ 内閣 ]の意思決定機関である[ 閣議 ]において、全大臣合意のもと決定される内閣(政府)全体の合意事項である。
 全閣僚による閣議(決定)書への署名は原則であり、法律や条約の公布、特命全権大使等に交付する信任状や全権委任状などの案件については、内閣総理大臣のみが署名する。
 署名された閣議書は皇居・御座所に送られて天皇に提出され決裁を受ける。定例閣議で意思決定された案件を決裁するために、天皇は閣議がある日の午後は皇居に滞在しているが、静養や行幸のさいに臨時閣議が行われた場合は、クーリエの宮内庁職員が閣議書を滞在先まで運び決裁を仰ぐ。
 閣議は非公開が原則である。
首相官邸の閣僚応接室と閣議室

首相官邸 [ 閣僚応接室 ]
閣議の前に集合・待機し談話などを行う。マスコミに公開されるのはこの応接室までです。
テレビの報道では、各大臣が全員揃ってから首相が登場し、中央の席に付くシーンが良く報道される。
正面壁の奥が閣議室になっている。

首相官邸 [ 閣議室 ]
円卓で閣議が行われる。閣議の議事は非公開とされ、個々の発言を記録した議事録は残されていない。
閣議の概要については、内閣官房長官の記者会見において発表される事に成っている。
閣議室は非公開の場所だが、2013年1月8日に安倍晋三首相の指示で「できるだけ国民に情報を公開する」を目的に公開された。
『 内閣法 』で定められている[ 内閣 ]と[ 閣議 ]について
『 内閣法 』で定められている[ 内閣 ]
内閣法 第二条 内閣は、国会の指名に基づいて任命された首長たる内閣総理大臣及び内閣総理大臣により任命された国務大臣をもつて、これを組織する。
② 前項の国務大臣の数は、14人以内とする。ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、17人以内とすることができる。
※現在(平成27年)は、平成24年2月20日の復興庁設置法附則による内閣法改正により、15人以内の国務大臣(ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、18人以内とすることができる。)を以て、これを組織するとなっている。但し、復興庁が廃止されるまでとされている。
※平成27年6月3日に公布された『平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法』により、「内閣法の一部を改正し、本部が置かれている間、国務大臣の数の上限を一名増員する。」
『 内閣法 』で定められている[ 閣議 ]
内閣法 第四条 内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。
② 閣議は、内閣総理大臣がこれを主宰する。この場合において、内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関する基本的な方針その他の案件を発議することができる。
③ 各大臣は、案件の如何を問わず、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めることができる。
『 内閣法 』での規定は無いが、慣習として守られている[ 閣議 ]での決まり
  • 閣議は非公開で会行なわれる。
  • 閣議での議事録は執らない。
  • 閣議での参加者の発言は公表しない。
[ 閣議 ]の構成員について
内閣法の第二条・第二条で定められている様に、内閣総理大臣が主宰し、内閣総理大臣により任命された国務大臣が構成員となる。
内閣法で定められた、閣議運営の補助及び必要に応じて行政・法令に関する補足説明する者として、3人の内閣官房副長官、1人の内閣法制局長官が参加する。但し、円卓ではなく壁際の卓に着席する。
2015年10月7日 第3次安倍内閣での[ 閣議 ]の主宰者・構成する大臣
閣議を主宰する者
  • 内閣総理大臣 安倍晋三(あべしんぞう)
 閣議を構成する大臣
  • 財務大臣 麻生太郎(あそうたろう)
  • 総務大臣 高市早苗(たかいちさなえ)
  • 法務大臣 岩城光英(いわきみつひで)
  • 外務大臣 岸田文雄(きしだふみお)
  • 文部科学大臣 馳浩(はせひろし)
  • 厚生労働大臣 塩崎恭久(しおざきやすひさ)
  • 農林水産大臣 森山裕(もりやまひろし)
  • 経済産業大臣 林幹雄(はやしもとお)
  • 国土交通大臣 石井啓一(いしいけいいち)
  • 環境大臣 丸川珠代(まるかわたまよ)
  • 防衛大臣 中谷元(なかたにげん)
  • 内閣官房長 菅義偉(すがよしひで)
  • 復興大臣 高木毅(たかぎつよし)
  • 国家公安委員会委員長 河野太郎(こうのたろう)
  • 内閣府特命担当大臣 島尻安伊子(しまじりあいこ) 沖縄及び北方対策 他
  • 内閣府特命担当大臣 甘利明(あまりあきら) 経済再生担当 他
  • 内閣府特命担当大臣 加藤勝信(かとうかつのぶ) 一億総活躍担当 他
  • 内閣府特命担当大臣 石破茂(いしばしげる) 地方創生担当
  • 国務大臣 遠藤利明(えんどうとしあき) 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当
 内閣法で定められた、閣議運営の補助及び必要に応じて行政・法令に関する補足説明する者
  • 内閣官房副長官 萩生田光一(はぎうだこういち)
  • 内閣官房副長官 世耕弘成(せこうひろしげ)
  • 内閣官房副長官 杉田和博(すぎたかずひろ)
  • 内閣法制局長官 横畠裕介(よこばたけゆうすけ)
※ 平成27年6月3日に公布された『平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法』により、「内閣法の一部を改正し、本部が置かれている間、国務大臣の数の上限を一名増員する。」
※ 三人の内閣官房副長官(政務担当二人、事務担当一人)と内閣法制局長官が陪席する(この四人は意思決定には参加できない)。
[ 閣議 ]の種類
閣議には、定例閣議・臨時閣議・持ち回り閣議の3種類がある。
原則として全閣僚が総理大臣官邸閣議室(通常国会会期中は国会議事堂内の院内閣議室)に集まって行われる。
[定例閣議]
毎週2回、火曜日と金曜日の午前中に開かれる定例閣議
[臨時閣議]
必要に応じて開く臨時閣議
[持ち回り閣議]
早急な処理を要する案件の場合には、内閣総務官が閣議書(閣議内容の書かれている文書)を持ち回りそれぞれの閣僚の署名を集めるという回議によって意思決定する閣議。
[ 閣議 ]に掛けられる案件
閣議案件には次のような区分がある。
憲法や法律により、内閣の意思決定が必要とされるもの
  • 法律案・政令の決定及び法律・政令の公布
  • 詔書(国会の召集、衆議院の解散、総選挙等の施行)
  • 国会提出案件(議員の質問に対する答弁書、年次報告書)
  • 条約の締結、批准及び公布
  • 内閣総理大臣、最高裁判所長官の任命にかかる内閣の助言と承認
  • 国務大臣の任免の認証にかかる内閣の助言と承認
  • 内閣官房副長官・副大臣、検事総長、特命全権大使・最高裁判所判事等の任免
  • 人事官、検査官等の国会の同意を要する人事
法令上の規定はないが、国政に関する基本的重要事項等で内閣の意思決定が適当とされるもの
  • 政府声明、内閣総理大臣談話
  • 国会における内閣総理大臣の演説案
  • 各府省の事務次官,局長等の内閣の承認を要する人事
[ 閣議決定 ]の種類
閣議の意思決定には、[ 閣議決定 ]と[ 閣議了解 ]の2つがある。その他として重要度の低い[ 閣議口頭了解 ]がある。
[ 閣議決定 ]
内閣としての意思決定を[ 閣議決定 ]と言う。すなわち全大臣合意のもと決定される政府全体の合意事項。
憲法及び法律により内閣の意思決定が必要とされる事項や、法令上規定がない場合でも特に重要な事項について決定される。
[ 閣議了解 ]
本来は主務大臣の管轄事項だがその重要性にかんがみ閣議に付され、他の大臣の了解を得ておくことが行政各部の連絡上及び統一上好ましいと判断された場合等になされるものを[ 閣議了解 ]と言う。
閣議決定と閣議了解には、その効力に差は無いが、閣議決定のほうが格が高いと言われている。
[ 閣議口頭了解 ]
関係閣僚会議の設置や特殊法人などの人事に関することなどで、閣議書を作成せず口頭で了解する事項。
[ 閣議決定 ]の法的拘束力
日本国の法令では、法的拘束力は無い
日本国では、法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・閣令・規則)としての法的拘束は定められていません。
内閣として明確に意思決定を行うことは、国民に対して行おうとしている施策を明らかにする事に成り、閣議決定は必要で重要な事だと言えます。
閣議決定された内閣の方針が国民の意思に沿わない場合は、国民の代表としての立法府が内閣を不信任する事ができます。
いったん、閣議決定された事について、内閣は立法府・国民に対し責任を負うと理解する事が出来る。
内閣の意思として確定して表明する
総理大臣個人の考え、又は各大臣の考えとして表明する事は、総理大臣・各大臣のそれぞれの意見が違う事が前提となっている。表明した内容は個々に責任を負う事に成る。
閣議決定は全員一致が原則なので、総理大臣・各大臣の全員が同じ意見を共有している事に成る。結果として、内閣全員で責任を負う事に成る。
仮に、総理大臣個人の意見として表明した場合に、次の総理大臣が違う意見であれば、否定して自らの意見を表明する事は難しい事ではない。
だが、一度閣議決定された事は、次の総理大臣が個人的な意見の違いを理由にして変更する事は出来ない。
2015年8月14日に発表された『戦後70年談話』は、閣議に参加した総理大臣・各大臣の意見が[全員一致]で[閣議決定]され発表されている。
多くの国々と、多くの日本国国民が、この談話を受入れ支持している。
今後、この『戦後70年談話』が日本政府の公式の見解として、以後の内閣にも引き継がれる事に成るであろう。
[ 閣議決定 ]は、次の内閣も拘束するのか? [質問主意書]への答弁
[質問主意書]とは、内閣に対して「書面」で行う国会質問です。 国会開会中に 提出することができ、内閣は7日以内の回答が義務づけられています。 質問内容、答弁内容は、国会議員に配布されます。
[閣議決定の有効性に関する質問主意書]
平成二十五年六月二十四日提出 質問第一二五号 提出者  武正公一
四 閣議決定の法的効力・拘束力については政権が交代しても「原則としてその効力はその後の内閣にも及ぶというのが従前からの取扱いとなっております。」等、類似の答弁が政府からされているが、あらためて閣議決定の効力は政権交代して取り消すとか新たな閣議決定をすることによって変更するとかしない限り継承されていると考えてよいか。
右質問する。
[衆議院議員武正公一君提出閣議決定の有効性に関する質問に対する答弁書]
平成二十五年七月二日受領 答弁第一二五号 内閣総理大臣 安倍晋三
四について
閣議決定の効力は、原則としてその後の内閣にも及ぶというのが従来からの取扱いとなっているが、憲法及び法律の範囲内において、新たな閣議決定により前の閣議決定に必要な変更等を行うことは可能である。
閣議決定は全員一致が原則だが、賛同しない大臣が[罷免]された事が有る
1947年(昭和22年)片山内閣、平野力三農林大臣罷免
平野力三農林大臣が西尾官房長官との対立し、戦前、戦中に皇道会に関与していたことを理由に罷免される。日本国憲法下における閣僚罷免の最初の例となる。
1953年(昭和28年)第4次吉田内閣、広川弘禅農林大臣罷免
衆議院議員吉田茂(首相)の懲罰動議に、自分(広川弘禅)と広川派三十名を採決に欠席させる。このため、衆議院で吉田首相の懲罰動議がなされたので、即日、広川弘禅農林大臣を罷免する。激怒した吉田首相は衆議院の解散を断行し、刺客候補を送り込み広川は落選させる。
1986年(昭和61年)第3次中曽根内閣、藤尾正行文部大臣罷免
「文芸春秋」での「韓国併合は合意の上に形成されたもので、日本だけでなく韓国側にも責任がある」等の対談中の発言が、問題視され、中曽根首相が藤尾正行文部大臣に辞任を求めたが、拒否したので罷免する。
2005年(平成17年)8月8日、第2次小泉内閣、島村宜伸農林水産大臣罷免
いわゆる郵政解散で衆議院解散の閣議決定への署名を島村宜伸農林水産大臣が拒否する。島村農水相は最後まで解散詔書に関する閣議決定文書への署名を拒否し、農水相の辞表を提出したが、小泉首相は辞表を受理せず、閣議を中断して天皇の認証を得て島村農水相を罷免し、首相自身が農水相を兼務して解散詔書を閣議決定した。
2010年(平成22年)5月28日、鳩山由紀夫内閣、福島瑞穂内閣府特命担当大臣罷免
普天間基地移設問題に関する閣議決定に福島瑞穂内閣府特命担当大臣が反対する。鳩山首相が普天間基地移設先を沖縄県外にするとの公約を撤回余儀なくされたのに対し、社民党党首としての立場から県外移設を主張しつづけたため、福島瑞穂内閣府特命担当大臣が罷免される。社民党は連立を離脱し野党になる。
閣議書( 閣議決裁書 )
[閣議書]とは、閣議に参加した各大臣の同意した署名と、決定された事項の内容が記された書類が添付されている。閣議了解・持回り閣議により多少の違いがある。
[閣議書]の例 

昭和48年4月27日、第二次田中内閣で閣議決定された「筑波研究学園都市の建設について」の閣議書

この他に関係種類が添付されている